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Lighting Reference(ライティングのリファレンス)

概要:LightColor(ライトの色)およびライティングのプロパティに関する総合リファレンスです。

修正ログ:最終更新は、Michiel Hendriksによるバージョン3323用にbDirectionalCoronaの追加、Jason Lentz (Main.DemiurgeStudios)による管理環境向上のためのドキュメントの細分化。原本筆者はLode Vandevenne (Main.UdnStaff)

はじめに

ここでは、LightColor(ライトの色)セクションとライティングセクションにあるライティングのプロパティ全項目についてご説明します。これらの機能はLightActors(ライトアクタ)をはじめすべてのアクタに利用できます。いくつかのプロパティについては表の後でさらに詳しくご説明します。

LightColor

LightColorでは、明るさとライトの色を変更できます。色彩設定は[ライトのプロパティ]→[LightColor(ライトの色)]で行います。

lightcolor.jpg

下表はLightActor関連の3つのプロパティの解説とデフォルト設定の一覧です。

プロパティ 解説 デフォルト設定
LightBrightness(ライトの明るさ) ライトの照明量を調整します。詳細説明は、below (下記)をご覧下さい。 64.0
LightHue 照明の色合いを調整します。詳細説明は、 below (下記)をご覧下さい。 0
LightSaturation 照明の彩度レベルや色純度を調整します。詳細説明は、below (下記)をご覧下さい。 255

Light Brightness

LightBrightnessでは、ライトの明暗を調整します。ライトの値には255以上も入力できますが、不自然に光の切れが良くなる輝度分布となってしまいます。逆に、この値に0を入力すると、光は全くなくなります。下の各イメージ図のLightBrightnessは上から順に64、128、255です。

brightness64.jpg brightness128.jpg brightness255.jpg

Light Hue

LightHueでは、ライトの色を変更します。例えば、LightHueの0は赤、40は黄、80は緑、160は青、200は紫、255は再び赤です。後述の通り、この変化がわかるのはLightSaturationが255以下の場合だけです。下のイメージ図ではLightSaturation=128、そしてLightHueは上から順に0、64、128、そして192です。

hue0.jpg hue64.jpg hue128.jpg hue192.jpg

Light Saturation

LightSaturationでは色の強さを調整します。デフォルト値の255だと、ライトは白です。またそれ以下ならLightHueで定義した色合いが反映されます。低くなるほどに色の強さが増します。下のイメージ図のLightSaturationは順に、255、192、128、そして0となっています。

saturarion255.jpg saturation192.jpg saturation128.jpg saturation0.jpg

ライトが選択されていない場合は、電球の絵がライトのエミットと同色になる一方、ライトを選択すると、電球の色は[Show Selection Highlight(ハイライト選択の表示)]を無効にしない限り、常に緑となります。

selectedlight.jpg

ライトの色を決めるもっと簡単な方法をご紹介しましょう。[色]のボタンを押すと、Windows Color Dialog Box(ウィンドウズのカラーダイアログボックス)が表示されます。そこで、任意の色を選択し OKボタンを押してください。

colorbutton.jpg color.jpg

また、[Pick(採取)]のボタンを押すと、マウスカーソルがスポイト表示になって、ビューの中のあらゆる色を採取できるようになります。

pickbutton.jpg dropper.jpg

ライトの明るさが足りない場合は、同じ位置に最高輝度のライトを必要な個数だけ追加します。このライトを重ねる方法なら、黒いテクスチャがほとんど白になるほどの明るい照明が可能です。

Lighting(ライティング)

このプロパティには、さらに多くの調整用変数が用意されています。下の表はLightActorの解説とデフォルト設定の一覧です。いくつかのアクタについては、後ほどさらに詳しくご説明します。

lightproperties.jpg

変数 解説 デフォルト
bActorShadows 「有効」ならアクタに影がつきます。 無効
bCorona Skins(スキン) を利用したライトでコロナを表現します。詳細説明は、 Special Lighting Features (ライティングの特殊機能)の文書をご参照下さい。 無効
bDirectionalCorona コロナが指定した方向のみに光を発します。 無効
bDynamicLight 設定を「有効」とすると、ライトの照明が動くようになります。 DynamicLights(ダイナミックライト)は一般のライトよりも大きい負荷をプロセッサにかけますのでご注意下さい。 無効
bLightingVisibility ラインの検証により、アクタのライティングの鮮明度を判断します。 有効
bSpecialLit ライトの作用する対象物と、しない対象物をマニュアル設定するかどうかのトグルです。詳しくは below (下記)をご覧下さい。 無効
LightCone Light Effect(ライトの効果)の LE SpotLight を利用している場合、スポットライトの照明角度を定義します。詳しくはbelow (下記)をご覧下さい。 128
LightEffect(ライトの効果) 作成したライトへの適用のための既成効果です。詳しくは below (下記)をご覧下さい。 LE None(ライト効果なし)
LightPeriod 特別なLight Types (ライトのタイプ)の頻度を定義します。詳しくはbelow (下記)をご参照下さい。 32
LightPhase(ライトの段階変化) Light Types (ライトのタイプ)やLight Effects (ライトの効果)を徐々に弱めたり、そのままフェードアウトさせる設定をします。詳しくはbelow (下記)をご参照下さい。 0
LightRadius(ライトの半径) ライトの半径のmultiplierです。詳細はbelow (下記)をご参照下さい。 64.0
LightType ライトの「安定性」を定義します。詳しくはbelow (下記)をご参照下さい。 LT Steady(LT_静止)

Special Lit

[ライティング]メニューの[ライトのプロパティ]で[bSpecialLit]の項を[有効]に設定します。BSP surface(BSPサーフェス)のプロパティでもSpecial Lit を設定できます。

speciallitlight.jpg

speciallitsurface.jpg

Special Lit の対象となったサーフェスは、「bSpecialLit =有効」と設定したライトからのみ照明され、「bSpecialLit =無効」と設定したライトの光は当たりません。逆に、Specia Lit(特殊照明)の設定されていないサーフェスは「bSpecialLit =無効」のライトからのみ照明されて、「bSpecialLit =有効」のライトの光は当たりません。

例えば、イメージ図は緑と赤の光に照らされた普通の小部屋ですが、どのウォールやライトにもSpecial Lit は設定されていません。

speciallit1.jpg

ここで、ウォールのひとつをSpecial Lit に設定します。すると、この部屋にSpecial Lit がないため、その壁は黒くなってしまいます。

speciallit2.jpg

赤色のライトのSpecial Lit の設定を有効にすると(緑色は無効のまま)、すべてのウォールは緑色に、特殊照明の壁は赤くなります。

speciallit3.jpg

環境光を放つアンビエント ライトを設置すると、通常設定とSpecial Lit 設定のいずれのウォールをも照らすので、Special Lit が存在しなくてもSpecial Lit 設定のウォールが黒くならずにアンビエント ライトの色を呈します。イメージ図では、青っぽいアンビエント ライトが使われています。

speciallit4.jpg

注:ライティングのリビルドをしてはじめて、設定した効果が反映されます。また、ライトの設定変更を行った場合も、次にリビルドしてから設定内容が反映されます。

LightCone

LightCone の設定では、[LightEffect]の[LE_SpotLight]で設定したスポットライトのコーン(円錐形のシェード)のサイズを変更できます。この値が大きくなるにつれ、照明範囲も広がります。もちろん実際の照明範囲は、ライトから照らすサーフェスまでの距離にも依存します。LightCone とLightRadiusとでは定義内容が違うのです。LightRadius はスポットライト光線の長さを定義しますが、LightCone は円錐形シェードの開き角度を定義します。

cone1.jpg cone2.jpg cone3.jpg

LightEffect

LightEffectは特殊な視覚効果で、ディスコの照明風、円筒形、そして太陽光の3種類です。LightEffectsへは、[Lighting(ライティング)]→[LightEffects ]で移動します。

注:現在正常機能しないプロパティは以下の通りですので、ご注意下さい。

  • LightEffectsはStaticMeshes静的メッシュ上では機能しますが、頂点ベースに限られるため、BSPジオメトリのLightEffectsの結果と比べると明らかに見劣りします。
  • LightEffects はアニメーション設定しても動きません。LightEffects を選択した時は動いたように見えますが、リビルドやゲームの実行を行った途端に効果の動きが停止します。
  • 以下のLightEffects は既に陳腐化しているためご説明しません。
    • CloudCast(雲のキャスト)
    • TorchWaver(松明の揺らめき)
    • FireWaver(炎の揺らめき)
    • WateryShimery(水のようなシメリー)
  • *投影機能*を使うと*ずっと*効果的なライティングを行えます。([ProjectorsTableOfContents](投影機能の目次)をご覧下さい。)

lighteffects.jpg

ここからは使えるLightEffects についてご説明します。

*LE_None *: LightEffects のデフォルト設定で、一様のライトになります。このプロパティとLightTypeのLT_Noneとを混同しないようにしましょう。LT_Noneはライトを消灯するのに対し、LE_None はライトを点灯したままにするものです。

lenone.jpg

*LE_SearchLight*:旋回する光線を作ります。旋回速度はLightPeriod のスライダーを左右にドラッグして設定します。

lesearchlight.jpg

*LE_SlowWave*:光をゆっくりとうねらせる効果を設定します。

leslowwave.jpg

*LE_FastWave*:光を速くうねらせる効果です。

lefastwave.jpg

*LE_StaticSpot *および*LE_SpotLight *:この二つはライトをスポット照射に変更します。LightCone(ライトのコーン)では、ライトのコーンを設定変更したり、回転設定で照射方向の変更も可能です。詳しくは、LightCone (ライトのコーン)のSpotlight Direction (スポットライトの方向)でご説明します。

lespotlight.jpg

*LE_Shock(LE_ショック)*:LE_FastWaveに少し似ていますが、光をより広範に波打たせる効果です。

leshock.jpg

*LE_Disco(LE_ディスコ)*:ライトをディスコの照明風に動かす効果です。

ledisco.jpg

*LE_Warp(LE_ワープ)*:LE_Noneのような光になります。

*LE_NonIncidence *および*LE_QuadraticNonIncidence(LE_二次入射光線なし)*:この二つはLE_Noneのようですが、球状の光源の端から光が徐々に弱くなる効果がほとんどないため、光の中心に近づくほどより明るく、LightRadius(ライトの半径)に到達したライトが消える所までの明るさの変化度がより急激になっています。QuadraticNonIncidence(LR_二次入射光線なし)は両者の中でもよりはっきりとした効果となります。

lenonincidence.jpg

*LE_Shell(LE_外輪郭)*:丸く外側を囲むライトを作成します。ウォールが丸い光の枠の中にある場合のみこの効果が確認できます。この球の半径は、LightRadius(ライトの半径)で定義します。

leshell.jpg

LE_OmniBumpMap(LE_オムニバンプ マップ): LE_Noneと同じ。

LE_Interference(LE_界面波):また別の光をうねらす効果です。

leinterference.jpg

*LE_Cylinder*:これは球状ではなく円筒状に光るライトです。縦長の円筒状に光り、回転不能で、LightRadius(ライトの半径)で定義される高さや半径の個別修正も出来ません。LE_Cylinderの照明範囲は、全てのライトの中でも最もひときわ大きく、LE_NonIncidence よりもさらに大きいほどです。一番目のイメージとLE_NonIncidenceのイメージを比べてみてください。二番目のイメージではライティングの円筒形状の様子をご覧いただけます。

lecylinder.jpg

*LE_Rotor(LE_回転)*:回転する光線の集合です。

lerotor.jpg

*LE_Sunlight(LE_太陽光)*:無限遠からの光をシミュレーションします。詳細は、 Sunlight (太陽光?)をご覧下さい。

lesunlight.jpg

LightEffects は複数のLightTypeを組み合わせた利用も可能です。例えばLE_DiscoとLT_TexturePaletteLoopを組み合わせてディスコ照明の色をぐるぐる変化させたり、LE_SpotLight とLT_Pulseを組み合わせてパルス状に点滅するスポットライトにすることが出来ます。

LightPeriod

LightEffectのLE_SearchLight ここでは、LightTypesのLT_Pulse、LT_SubtlePulse、LT_TexturePaletteLoop、そしてLightEffectのLE_SearchLightの各店頭周期の変更を行います。数値が低くなると実行時のアニメーション速度が速くなります。また、数値が「0」なら全く動きません。また、パルスとSubtlePulse(微小パルス)については「0」が最速の設定となります。

LightPeriod は他のLightEffects やLightTypes に作用しませんし、LT_Strobe も点滅しますが、これにも作用しません。

(ライトのフェーズ)

LightPhase(ライトのフェーズ)

アニメーションのサイクルで照明が始まるタイミングを設定します。LightPhaseはLightEffects とLightTypesのみに作用し、LightPeriod との連携も可能です。例えば、二つの点滅光(LT_Pulse)の一方をフェードインし、もう一方をフェードアウトしたいという場合、このスライダーで設定を行います。

イメージには、LightType(ライトの種類)LT_Pulse(LT_パルス)による二つのライトがあり、一つはLightPhase(ライトのフェーズ)設定値が「0」、もう一方は「128」と設定されています。アニメーションのサイクルは255段階ですから、128は全アニメーションのちょうど真ん中になります。つまり、一つ目のライトがアニメーション(フェードアウト)を開始する頃、二つ目は既にアニメーション(フェードイン)のちょうど中間だということです。

dualpulse1.jpg dualpulse2.jpg

(ライトの半径)

LightRadius(ライトの半径)

LightRadius(ライトの半径)では、光の輝く範囲を調整します。プロパティの数値が直接実際の照明範囲となる訳ではなく、照明範囲に相乗作用する定義のうちのひとつです。 数値「0」だと全く光のない状態で、数値が大きくなるほど球状の光の半径は大きくなります。例えば、イメージのひとつ目のライトはLightRadius(ライトの半径)が「16」で、ふたつ目のライトはLightRadius(ライトの半径)が「32」の設定です。

radius16.jpg radius32.jpg

(ライトの種類)

LightType(ライトの種類)

LightTypesは、揺らめく炎やストロボなど、長時間にわたりライトの明るさを変え続けます。LightTypesを変更するには、Light Properties(ライトのプロパティ)→Lighting(ライティング)→LightType(ライトの種類)へと移動します。ここで、LightTypeのリストから採用するものを選択します。

LightTypesはライトが動く場合のみ作用します。bDynamicLightは設定を「有効」にしておきます。

lighttypes.gif

ほとんどのLightTypesはアニメーション化であるため、筆者は動画GIFを使います。

LT_None:これを選択するとライトは全く発光しない、オフの状態になります。
none.gif

LT_Steady :デフォルトで有効で、ライトをずっと点灯した状態にします。
steady.gif

LT_Pulse:ライトのフェードオンとオフを繰り返します。この効果の点滅スピードは、LightPeriod で変更できます。LightPeriod が「0」に設定されると点滅スピードは最速となり、「255」であれば最も遅くなります。
pulse.gif

LT_Blink:ライトをランダムに点滅させる効果ですが、オンの状態がかなり多いものです。単に固定ライトのように見えることもありますが、LightPeriod 設定のスライダを上げると、効果は再び作用します。LightPeriod のスライダが効果に与える作用はこれだけです。
blink.gif

LT_Flicker:このライトはランダムにオンオフを繰り返しますが、オンよりもオフの状態が多くなります。
flicker.gif

LT_Strobe:できる限り早く点滅するライトです。この効果のスピードは変更できず、LightPerios(ライトの周期)には全く影響しません。
strobe.gif

LT_BackdropLight:LT_Noneと全く同じライトに見えます。
none.gif

LT_SubtlePulse:パルスと同じ効果ですが、より細かく点滅します。
subtlepulse.gif

LT_TexturePaletteLoopとLT_TexturePaletteOnce:数色の光をループさせる場合に使います。詳細はTexturePaletteLoop ([特殊ライティング機能#TpL][テクスチャパレット ループ])のセクションでご説明します。

LT_FadeOut:LT_Noneと全く同じに見えます。
none.gif

Unlit(アンリット)

Light Propertiesにはない、BSPのライティングに反映するもうひとつの設定はSurface Properties(サーフェスプロパティ)に入っています。ここで、BSPサーフェスに対してUnlit(アンリット)を設定できます。サーフェスのUnlit(アンリット)を有効にすると、常に最も明るい状態で、あらゆるライトやAmbient Lighting(アンビエント ライト)の影響を受けません。また、光がまったくない状態でも、このサーフェスは最も明るい状態のままです。例えば、イメージは暗い赤色光の部屋ですが、ひとつだけUnlit(アンリット)設定のウォールがあるのをご確認いただけるでしょう。

unlit.jpg

関連資料

Unreal EdのLightActors(ライトアクタ)とその他一般のライティングのより詳しい説明は、下記の資料でもご覧いただけます。

LightingBasics(ライティングの基礎) ? ライティングの資料に関する詳細コンテンツ集。

UsingLights(ライトの使用方法) - ライトの使用方法およびライト関連機能についての総合ガイド。

TypesOfLights(ライトの種類) ? 多様なLightActors(ライトアクタ)とライトに関する手引き。

LightingOnSurfaces(サーフェスへのライティング) ? LightActors(ライトアクタ)を様々なジオメトリに作用させる手法の手引き。

SpecialLightingFeatures(特殊ライティング機能) ? 特殊なライティング昨日の構築方法を紹介したチュートリアル。